リステリア症

髄膜炎をもたらすこともある感染症

リステリア症は、高齢者や子どもなど免疫力が低い人や妊婦がかかると、重篤化し髄膜炎をもたらすこともある、注意すべき感染症です。
リステリア属の桿菌がもたらす感染症で、ほ乳類や鳥類全般が保有している菌ですので、感染ルートが多いのが特徴です。
また、土壌にも存在している菌ですので、常に感染リスクがあるとも言えるでしょう。

世界各国でこの病気への感染が報告されていて、日本でも報告例の多い感染症となっています。
食肉などの食べ物を通しての感染が多いものの、犬やネコなどのペットからも感染が十分に起こりえることが分かっていますので、飼い主やその家族はある程度この病気に関する知識を持っていると良いでしょう。

風邪に似た症状を引き起こす感染症

食べ物からの感染が多い病気ですが、一般的な食中毒とは違い、胃腸障害をもたらすことはあまりありません。
むしろ、発熱や頭痛、体の痛みなど、風邪に似た症状を引き起こすことが多いので、リステリア症と気付かずに風邪の治療を優先することが多く見られます。

しかし、免疫が弱っている人が罹患して、適切な治療を受けずに放置しておくと、髄膜炎を患ったり、脳神経障害を引き起こして痙攣や意識障害をもたらしたりすることもありますので、早期に検査と治療を行うことが重要となります。
さらに、妊婦の場合は、通常のケースよりも20倍も感染リスクが高いことから、より注意が求められます。
妊婦自体にはあまり重い症状をもたらしませんが、垂直感染をする危険性があり、胎児が感染すると流産や胎児敗血症など、致命的なダメージを与えることもあります。

そのため、免疫が弱っている人は、妊婦などは感染症のリスクを考慮して、ペットとの関わりを注意する方が良いでしょう。
健常な人には何の影響を与えないからといって、感染症の危険性をあなどらないようにしましょう。

複数の抗生物質が効果をもたらす

このリステリア症にはワクチンがありませんので、予防接種をすることはできません。
そのため、病気の症状が出た段階で診断を確定して、有効な治療を行うことが唯一の選択肢となります。
リステリア症に有効な薬剤としては、ペニシリン系やテトラサイクリン系の抗生物質がありますので、複数の薬を用いることができます。
症状が重くなることはあまりありませんので、こうした薬剤を投与すれば比較的短期間で完治を期待できます。

ペットからのかみつきや引っかき、唾液や排泄物からの感染というのが考えられる感染ルートですので、ペットとの付き合い方に注意を払うのも大切なことです。
特に、子どもや高齢者がいる家庭では、こうした感染リスクも考えて、上手にペットとの時間を過ごすようにしましょう。

 

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